日本の冬の風物詩といえば「こたつ」ですね。
でも、今は和室が少なく、総務省統計局5年毎に実施している調査によると、
昭和49(1974)年〜59(1984)年までは全国の「こたつ」の普及率は90%を越えていましたが、
エアコンの普及と相まって急速に低下し、今では、35%程度まで下がっているようです。
しかし、「こたつ」自体は嫌われている訳ではなく、家族団欒の象徴として「好きだ」という方も少なくありません。
ところで、この「こたつ」、電気代は、1時間あたり数円と意外と安く、
省エネ暖房器具として優等生であることは以外と知られていないようです。
その上、電気代の全国平均は前年比約110~130%で推移していると言われており、
個々の家庭の節電努力で値上げ分をカバーするのはなかなか大変ですよね。
そこで、今回は「こたつ」と他の暖房器具の消費電力の比較、そして、さらなる電気代を節約する方法を考えてみましょう。
まずは電気代の計算
色々な条件を加味するとややこしくなるため、ここでは細かい点を省き、単純化して考えてみます。
電気代は、その消費電力(W:ワット)に、各電力会社の提供する1kWh(キロワットアワー)
あたりの電気料金をかけることで計算します。
これは、今回の「こたつ」だけでなく、当然どの電化製品でもあてはめることができます。
では、「こたつ」の消費電力(W)はどのくらいか?
もちろん、サイズや性能によって異なりますが、
一般的には、「こたつ」の省電力は、300Wから600Wぐらいなので、
ここでは消費電力300Wのこたつで計算をしてみます。
また、1kWhあたりの電気料金は、
東京電力の最もベーシックなプラン従量電灯Bの1段階目の料金、19.88円を用います。
○1時間使用した場合の電気料金
= 0.3kWh(300W) × 19.88円 = 5.96円(a)
○1日8時間用時の電気料金
= (a) × 8時間 = 47.68円(b)
○30日間使用時の電気料金
= (b) × 30日 = 1,430.4円
他の暖房機器との比較
このような計算を、家庭内で使用する代表的な暖房機器である、
エアコン、ホットカーペットにも行い、比較してみますと、次の表のようになります。
1時間使用料金 | 1日使用料金 | 1か月使用料金 | |
---|---|---|---|
こたつ(300W) | 5.96円 | 47.68円 | 1,430.4円 |
〃 (600W) | 11.93円 | 95.44円 | 2,863.2円 |
12畳用エアコン(950W) | 18.89円 | 151,12円 | 4,533.6円 |
3畳用ホットカーペット(335W) | 6.66円 | 53.28円 | 1,598.4円 |
この表から分かるように、最も消費電力が少ないのがこたつ(300W)、
最も多いのがエアコンとなります。
ただし、エアコンは部屋全体を暖めることができるのに対し、
こたつは暖められる範囲は限られており、ホットカーペットも消費電力は少ないですが、
足元を暖める電化製品なので部屋全体を暖めることはできません。
用途に応じて、
- 広い部屋で過ごす場合はエアコン
- 狭い部屋で座って作業するならこたつやホットカーペット
と暖房器具を使い分けるということですね。
設定を調整した節約術
こたつ自体の節約術
「弱」で使用する。
前記で実際にこたつの1時間あたりの電気料金計算してみましたが、
いつも最強で使用することはありません。
いったん温まれば、こたつカバーのおかげもあり、
目盛りを「弱」にしても温かさが保たれます。
この場合、600Wのこたつでは、「弱」にすると、
消費電力量は1時間当たり約80W(=0.08kwh)になりますから、
計算すると、 0.08×19.88=1.59円
と非常に安くて済むようになります。
さらに、こたつの掛布団を二重にすると暖房効果がさらにあがります。
また、こたつの下に敷布団を引くと熱が逃げずさらに効果的です。
掛布団に加え、可能なら敷布団を二重にすることも効果大です。
エアコンは部屋全体を温めることに適していますので、これを「メイン暖房」と呼び、
こたつ、ホットカーペットは部分暖房に適していますから、「サブ暖房」と名付け、
メイン、サブを使い分けうことも、効果のある節約術です。
具体的に言えば、こたつの設定を「弱」にすれば相当な節約効果があるとお話したように、
エアコンも同じで、設定温度を1℃下げると約10%の節電効果があると言われています。
そこで、メインであるエアコンなどで部屋全体を暖めながら、
サブのこたつで補助的に暖をとり、全体の負担を下げ、電気代を節約するということです。
まとめ
確かに、電気代は高いです。
しかし、電気代を節約するあまり、寒さを我慢して、体調を崩しては元も子もありません。
今回お話したように、こたつを活用して電気代を節約するなどして、この冬、体も、おサイフも快適に過ごしましょう!