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「リスキリング」という言葉を聞いたことがありますか?

時代の流れはおどろくほど速く、ITやAIの発達により、さらに変化が加速した印象ですね。

「あの、画面が変わってますが・・」、「あ、それ。ごめんなさい。今日からシステムが変わったの」なんてことも、よくある話ですね。

このように、デジタル時代の到来によって、事業やサービスなどに次々と新たな変化が起きており、それらにスムーズに対応していくためにも、新たなスキルを再習得、再構築しなければいけなくなっています。

 

経済産業省は、こうした流れを受け、日本企業に「リスキリング」の必要性を提唱していますが、まだ馴染みがない言葉です。どういう意味なのか、ご説明しましょう。

「リスキリング」とは

「リスキリング」とは、英語表記ではReskilling、Re-skillingで、

もともと職業能力の再開発、再教育という意味合いで使われて、

現在は、新しい職業あるいは、今の職業で今後必要になるスキルの大きな変化に対応するため、

新たなスキルや知識を獲得することを意味しています。

2015~16年ぐらいから欧米で広まり、2018年の世界経済フォーラム、

通称ダボス会議で「リスキル改革」に関するセッションが開かれ、

2021年には「リスキリング」という言葉がメディアを通して聞かれるようになりました。

日本で「リスキリング」が注目されている理由

世界的な潮流とはいえ、日本ではどんな点で「リスキリング」が注目されているのでしょうか?理由は2点ほど挙げられると思います。

1点目は、冒頭に挙げたように、企業のDX推進が加速していることです。

多くの企業がスピーディーかつダイナミックな事業変革に向 け、DXに取り組んでいますが、高度な専門性を持ったデジタル人材が不足していると指摘されています。その課題を解決する方法として、この「リスキリング」の必要性が高まっているということです。

もう一つは、コロナ禍による働き方の変化が挙げられます。

社内業務にテレワークが多く取り入れられ、顧客・取引先とのやりとりも対面ではなくオンラインへと移行しています。 こうした働き方が定着したことに伴い、新たに身に付けなけれ ばいけないスキルも多数出てきており、それらに対応するためにも、「リスキリング」が注目されています。

リカレントやOJTとの違い

新しいことを覚えるというと、既にリカレントやOJTなどがありますが、

これらと「リスキリング」は、どう違うのでしょうか?

リカレント(Recurrent)とは、『反復』というのが直訳で、

現在の業務をより良くしていくために、学び直して習得したスキルや知識を生かしていくことを指します。

また、OJT(On-the-Job Training)は現在社内で進められている業務を体験し、

その流れ、やり方を社員に理解してもらうという手法です。

これに対し、「リスキリング」とは新たに生まれようとしている事業や業務のために、

必要なスキルや知識を身に付けていくことを意味します。

まさに、デジタル時代の到来によって、事業やサービスなどに次々と新たな変化が起きている現在に必要なことといえますね。

「リスキリング」を実践する上での重要なポイント

新しいこと始める場合、最初に躓いてしまうと、「なんだよ、時間の無駄かよ」なんて言われてしまいます。

そうならないため、しっかり準備して始めたいと思いたいますが、必要なことは何でしょうか?

社内協力体制の整備

まずは、社内で協力してもらえるような体制を作っていく必要があります。

社内の関係者は経営陣や管理職、従業員など、さまざまな層が想定される。

「リスキリング」が今なぜ自社に必要なのかをロジックと情熱を持って語り掛け、多くの賛同者を得ていきましょう。

それによって、社内認知度も高まり、より進めやすくなります。

適した教育コンテンツの選定

会社が習得して欲しい知識、スキルに合せて、教育コ-ス、コンテンツを用意しますが、

これは十分に検討して最適なものを選ばなくてはいけません。

その内容を誤ると効果が期待できなくなってしまいます。

中には、「何が課題なのかを熟知しているのは自分たちだ」、「自社の実情に即したプログラムであるべきだ」

という理由で、コンテンツの内製化にこだわるケースも見かけますが、

社外の教育制度も大いに検討・利用することは価値があり、

外部の専門家やベンダーに積極的にアドバイスを求めるのも有効な方策です。

モチベーション維持の仕組みの構築

「リスキリング」の大きな目的は、新しいスキルや知識の得することです。

そのため、習得意欲を維持、向上させることが必要です。

  • リスキリングを通じての成長を実感する「スキル、知識習得チェックリスト」のようなものを用意する。
  • 昇進のためのマイルストーンとするといったインセンティブを用意すること などの仕組みを構築する。

まとめ

日本国内でも、リスキリングに取り組む企業が増えています。

昨年10月には、岸田政権が5年間で1兆円のリスキリング支援を行うことを発表しました。

日本が世界に追いつき、成長を続けていくために欠かせないリスキリング。

しっかり準備して、効果あるものを導入したいですね。

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